渋沢栄一
反対者には反対者の論理がある。
それを聞かないうちに、いきなりけしからん奴だと怒ってもはじまらない。
問題の本質的な解決には結びつかない。
一個人がいかに富んでいても、社会全体が貧乏であったら、その人の幸福は保証されない。
その事業が個人を利するだけでなく、多数社会を利してゆくのでなければ、決して正しい商売とはいえない。
人は死ぬまで同じ事をするものではない。
理想にしたがって生きるのが素晴らしいのだ。
真似をするときには、その形ではなく、その心を真似するのがよい。
信用はそれが大きければ大きいほど、大いなる資本を活用することができる。
世に立ち、大いに活動せんとする人は、資本を造るよりも、まず信用の厚い人たるべく心掛けなくてはならない。