名言discovery ㉔ ~アレクサンダー・グラハム・ベル~

現在行っている仕事に全神経を注ぎなさい。
太陽光線も、焦点が合わないと発火させることはできない。


アレクサンダー・グラハム・ベル(1847年 – 1922年)

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例えが素晴らしいですね。妙に納得させられてしまいました。

科学者・工学者であり、電話の発明をしたことで有名な アレクサンダー・グラハム・ベル が残したとされる言葉です。

ざっくり人物紹介

アレクサンダー・グラハム・ベルは1847年、イギリス・スコットランドのエディンバラに生まれます。


幼いころから好奇心旺盛で、植物の標本を集めたり、実験などをしていたそうです。


ある時、親友の父が営んでいる製粉所で、脱穀の作業が重労働だという事を知り、単純ながらも脱穀機を作ったとの事。

なんと、この時ベルはまだ12歳。

脱穀機は実際にその後何年も使われたそうです。



ベルは感受性も高かったようで、芸術や音楽でも才能を発揮し、ピアノや腹話術が得意だったとの事。


また、母親(イライザ・グレイス)が聴覚障害になってしまった事がきっかけで、手話を習得。


ちなみに、視話法(聴覚障害者のための会話教育に使用される音声記号の一種)というものを発明したのは彼の父親であるアレクサンダー・メルヴィル・ベルだそうです。



子供の頃から優秀そうなベルですが、エディンバラにあるRoyal High Schoolでは欠席常習者で、成績も平凡だったそうです。(科学と生物学以外には興味がなかったらしい)

そして、15歳で退学しています。



ベルは退学後、ロンドンにいる祖父のもとにいきます。

この祖父と暮らしていくなかでいろいろな学問に興味が湧き、勉強するようになったとの事。


16歳の時には教師の職を得、給料も貰っていたとなっています。

その後、エディンバラ大学に入学、1868年にはロンドン大学の入学試験にも合格しているようです。




ベルは1863年頃から音声と電気に関する研究を重ねていたそうですが、弟と兄を相次いで亡くし、父親も病気に。

さらにベル自身も病弱だったため、一家でカナダへの移住・療養を決めます。



1870年、23歳の時に両親および、未亡人となってしまった兄の妻と一緒にカナダへ。

カナダの気候と環境が良かったせいか、ベルはみるみる健康を取り戻していったそうです。

そして、音声と電気に関する研究を続けていきます。



1871年、父の推薦でアメリカ・ボストンの聾学校(ろうがっこう:耳の聞こえない人、聞こえにくい人が通う学校)で視話法のインストラクターに。



1872年、ボストンで視話法を教える学校 School of Vocal Physiology and Mechanics of Speech を開校。

ここで、まだ幼かったヘレン・ケラーと出会います。
ヘレン・ケラーの回でも触れていますが、ケラーには家庭教師アン・サリヴァンがいました。そのサリヴァンを紹介したのはベルだったそうです。)



1873年、ボストン大学で発声生理学と弁論術の教授に。


1874年ごろ、ガーディナー・グリーン・ハバード(アメリカの弁護士・投資家)とトーマス・サンダースという2人の後援者により、財政的な支援を受け、音声と電気に関する研究を続けます。

また、その2人により、すでに電気や機械に熟達していたトーマス・A・ワトソンを助手として雇う事ができました。



そして1875年、ベルは acoustic telegraph を開発し、その特許申請書を提出。


1876年3月、米国特許商標庁により、ベルの特許が認可・公告。

その数日後に、いわゆる電話の実験に成功します。



1877年、ベル電話会社(現在のAT&Tの前身)を創業。

以後、世界中に電話が普及していく事になります。


なお、ベルと同時期に電話を開発していた人はイライシャ・グレイをはじめ、複数います。特許の訴訟もかなりされたそうですが、敗訴したことはないとの事。




1922年、糖尿病に起因する合併症により、75歳で死去。



1999年、LIFE誌の「この1000年でもっとも重要な功績を残した世界の人物100人」に選出。

2006年には「スコットランド史上もっとも偉大な10人の科学者」に選ばれています。


(生い立ちや経歴などはWikipediaを参照しています。)



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今の時代、一つの仕事だけで人生を終えるという事はあまり無いかもしれません。

この1年くらいで、生成AIも普及したし、働き方は間違いなく変わっていきます。

ただ、いろんな事に手を出すと、ひとつひとつが散漫になってしまう印象が強いのも事実です。

今やっている事に集中しろ というベルの言葉、非常に重要だと思います。


前々回取り上げたシモーヌ・ヴェイユの言葉にも通じるものがありますね。


しかし、それでもAIの力はそれらを飲み込んでしまうのか?

世界がどう変わっていくのか、注目です。


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