吉川英治

1892年 – 1962年
神奈川県
小説家


楽しまずして何の人生ぞや。


笑う世間の方がおかしい。


登山の目標は山頂と決まっている。
しかし、人生の面白さはその山頂にはなく、かえって逆境の、山の中腹にある。


行き詰まりは展開の一歩である。


いいじゃないか、5年道草をくったら、5年遅く生まれて来たと思うのだ。


あれになろう、これになろうと焦るより、富士のように、黙って、自分を動かないものに作り上げろ。
世間に媚びずに世間から仰がれるようになれば、自然と自分の値うちは世の人がきめてくれる。


およそ「自分ほど苦労した者はありません」などと自ら云える人の苦労と称するものなどは、十中の十までが、ほんとの苦労であったためしはない。


晴れた日は晴れを愛し、雨の日は雨を愛す。
楽しみあるところに楽しみ、楽しみなきところに楽しむ。