本田宗一郎
私の最大の光栄は、一度も失敗しないことではなく、倒れるごとに起きるところにある。
私の現在が成功と言うなら、私の過去はみんな、失敗が土台作りしていることにある。
仕事は全部失敗の連続である。
チャレンジして失敗を恐れるよりも、何もしないことを恐れろ。
苦しい時もある。
夜眠れぬこともあるだろう。
どうしても壁がつき破れなくて、俺はダメな人間だと劣等感にさいなまれるかもしれない。
私自身、その繰り返しだった。
伸びる時には必ず抵抗がある。
人を動かすことのできる人は、他人の気持ちになれる人である。
その代わり、他人の気持ちになれる人というのは自分が悩む。
自分が悩んだことのない人は、まず人を動かすことはできない。
耐える心に、新たな力が湧くものだ。
全てそれからである。
心機一転、やり直せばよいのである。
長い人生の中で、そのための一年や二年の遅れは、モノの数ではない。
独創的な新製品をつくるヒントを得ようとしたら、市場調査の効力はゼロとなる。
大衆の知恵は決して創意などはもっていないのである。
大衆は作家ではなく、批評家なのである。
我々は、最初から苦しむ方向をとったから、あとは楽になった。
真似をして楽をしたものは、その後に苦しむことになる。
日本人は、失敗ということを恐れすぎるようである。
どだい、失敗を恐れて何もしないなんて人間は、最低なのである。
もったいないようだけど、捨てることが、一番巧妙な方法だね。
捨てることを惜しんでいるヤツは、いつまでたってもできないね。
新しい発想を得ようと思うならまず誰かに話を聞け。
失敗が人間を成長させると、私は考えている。
失敗のない人なんて、本当に気の毒に思う。